猫がのどの奥で響かせる、あの小さな「ゴロゴロ」。多くの方が「ご機嫌のサイン」だと感じていて、それは決してまちがいではありません。
ただ、私たちが知っておきたいのは、ゴロゴロが鳴るのはリラックスしているときだけではない、ということです。じつは猫は、何かをおねだりするときや、不安・痛みをやわらげたいときにも、同じようにゴロゴロと鳴らすことがあります。
つまりゴロゴロは、ひとつの気持ちだけをあらわす単純な音ではなく、いくつもの意味をあわせ持つ「サイン」です。だからこそ、音の大きさ・タイミング・そのときのしぐさをあわせて見ると、愛猫の気持ちにぐっと近づけます。
この記事では、nyans編集部が最新の研究と専門家の見解をもとに、次の4つをやさしく整理してお伝えします。
- 猫がゴロゴロ鳴らす3つの理由
- 喉を鳴らす仕組み(じつは近年になって見直されています)
- 状況別の気持ちの読み解き方
- 注意したいゴロゴロと受診の目安
読み終えるころには、ゴロゴロという小さな信号をとおして、猫がもっと愛おしく感じられるはずです。
結論:猫がゴロゴロ鳴らす理由は大きく3つ
猫がゴロゴロ鳴らす理由は大きく3つ。
① リラックス・満足
② 要求・甘え(おねだり)
③ 不安・痛みのときの自己鎮静(セルフケア)
最初に結論からお伝えします。ゴロゴロが出る場面は、おおまかに次の3つに分けられます。
ここでひとつ大切な前置きがあります。ゴロゴロは「幸せ度をはかるメーター」ではなく、そのときの状況(文脈)とあわせて読むサインだということです。「ゴロゴロしている=かならず幸せ・健康」と言い切れるわけではありません。同じ音でも、場面によって意味が変わります。だからこそ、次の早見表のように「場面」「サインの特徴」「同時に見られる行動」をセットで見ることが、気持ちを読み解く近道になります。
3つの理由 早見表
| 理由 |
主な場面 |
サイン・特徴 |
同時に見られる行動 |
| ①リラックス・満足 |
撫でられているとき/寝床・安心できる場所 |
穏やかで一定の低い音/目を細める |
ふみふみ・すりすり・ゆるんだ姿勢 |
| ②要求・甘え |
ごはんの前/かまってほしいとき |
高い成分が混じり「切迫して」聞こえることがある |
鳴き声・足元にまとわりつく |
| ③自己鎮静(不安・痛み) |
通院・緊張時/体調不良・出産・衰弱時 |
いつもなら喜ばない状況でのゴロゴロ |
隠れる・うずくまる・食欲低下などを伴う場合は注意 |
なお、ゴロゴロのはじまりは生まれてすぐの時期にさかのぼります。子猫は生後数日ごろからゴロゴロを始め、授乳期に母猫とのやり取り(母子コミュニケーション)に使うことがわかっています【確立】。目も耳もまだ十分に発達していない子猫にとって、ゴロゴロは生まれて最初の大切な「会話」なのです。毛づくろいや爪とぎと同じように、ゴロゴロも猫が生まれ持つ行動のひとつだと考えると、わかりやすいかもしれません。
それぞれの理由を、仕組みと状況の両面から見ていきましょう。
そもそもゴロゴロとは?喉を鳴らす「仕組み」は実はまだ謎
ゴロゴロは、吸う息でも吐く息でも続く低い連続音(基本およそ25〜30Hz)です。喉を鳴らす仕組みは長く「喉の筋肉の動き」で説明されてきましたが、近年その理解は見直されつつあります。
「ゴロゴロ」とは、猫が息を吸うときも吐くときも途切れずに発し続ける、連続した低い音のことです。声を出すときだけ(吐く息のときだけ)響く「ニャー」という鳴き声とは異なり、呼吸のどちらの向きでも持続する点が大きな特徴です。
そして意外に思われるかもしれませんが、この音が「体のどこで・どうやって」生まれるのかは、実はまだ完全には解明されていません。長く支持されてきた説と、それを一部見直す近年の研究の両方を、順に見ていきます。
通説——喉の筋肉が周期的に動く【確立】
古くからの有力な説は、喉にある筋肉(内在喉頭筋)の周期的な動きによって音が生まれる、というものです。
この筋肉が毎秒およそ20〜30回という速さで規則的に動いて声門(空気の通り道のすき間)を細かく開け閉めし、空気の流れが周期的に区切られることで、あの低いゴロゴロ音になると考えられてきました。この毎秒約20〜30回という動きの速さが、そのまま音の低さ(およそ20〜30Hz)に対応します。さらに、この規則的なリズムは脳のなかにある「神経オシレーター」と呼ばれる仕組みが生み出している、と説明されてきました(Remmers & Gautier, 1972, Respiration Physiology/Frazer Sissom et al., 1991, Journal of Zoology)。
長年、これが標準的な説明とされてきました。
最新研究(2023)——神経の指令がなくても声帯が鳴った【有力な新知見】
ところが2023年、この通説を一部見直す研究が報告されました(Herbst et al., 2023, Current Biology)。
研究チームが摘出した猫の喉頭8検体に空気を通したところ、脳からの神経の指令も筋肉の収縮もないのに、8検体すべてが25〜30Hzというゴロゴロの帯域の音を自分から発生させた、というのです。さらに声帯のなかに最大で直径4mmほどの結合組織のかたまり(パッド)が見つかり、この構造が、体の大きさに対して異例なほど低い音を可能にしているとみられています。
これは「ゴロゴロは筋肉を能動的に動かし続けなくても、声帯の構造と空気の流れだけで鳴りうる」ことを示す、注目すべき知見です。
ただし、ここで一点補足が必要です。この研究は、これまでの「筋肉の周期的な動き」説を完全に否定するものではありません。研究チーム自身も、生きた猫では神経や筋肉によるコントロールが音を補助している可能性は残ると述べています。つまり通説と新知見は対立しているのではなく、たがいに補い合う関係にあると考えるのが現時点では妥当です。
周波数の正体は「ひとつの数字」では語れない【確立+諸説あり】
ゴロゴロの周波数(音の低さ)には、いくつかの報告があります。
- 筋肉の動きの反復は毎秒およそ20〜30回(=おおむね20〜30Hz/Remmers & Gautier, 1972)
- 摘出した喉頭が出した音の基本周波数は25〜30Hz(Herbst et al., 2023)
- 猫科動物を測った報告では、強く出る帯域は25Hzと50Hz付近で、おおむね25〜150Hzの幅があるとされます(von Muggenthaler, 2001)
このように、基本となるのは25〜30Hzあたりですが、個体や状況、研究の測り方によって幅が出ます。「ゴロゴロは正確に◯Hz」と単一の数字で言い切るより、各研究を通じて「おおよそ25〜30Hzを基本に、報告全体ではおおむね20〜150Hzの範囲」と幅でとらえるのが正確です。
まとめると、ゴロゴロの仕組みは「喉の筋肉の動き」を軸にしつつ、2023年に「声帯の構造そのものでも鳴る」という新知見が加わった段階で、まだ完全には解明されていません(諸説あり)。断定的に説明している情報も多く見られますが、現時点では「更新が続いているテーマ」と理解しておくのが誠実です。
状況別「ゴロゴロ気持ちマップ」——音量×場面×同時行動で読み解く
同じゴロゴロでも、音の大きさ・タイミング・同時に見せる行動をあわせて見ると、気持ちを読み解きやすくなります。
ここからは実践編です。ゴロゴロの「意味」は、音そのものだけでは決まりません。どんな場面で・どんな様子で・何をしながら鳴らしているかを組み合わせて見ると、ぐっと読み解きやすくなります。下のマップを、愛猫を観察するときの手がかりにしてみてください。
状況別 ゴロゴロ気持ちマップ
| 場面 |
ありがちな気持ち |
音・様子のヒント |
同時行動 |
読み解きのコツ |
| 撫でているとき |
リラックス・満足 |
穏やかで一定 |
目を細める・ゴロンと横になる |
体の力が抜けていれば心地よさのサイン |
| 寝るとき・寝ながら |
安心・浅い眠り |
静かなゴロゴロ |
丸まる・伸びをする |
安心の表れであることが多い |
| ごはん前・かまってほしいとき |
要求・甘え |
高い成分が混じり、切迫して聞こえることがある |
鳴き声・足元にまとわりつく |
いわゆる「ねだりゴロゴロ」 |
| 通院・緊張しているとき |
不安をやわらげる自己鎮静 |
いつもと違う場面でのゴロゴロ |
体がこわばる・隠れる |
喜びではなく、自分を落ち着かせる行動 |
| 体調不良・出産・衰弱しているとき |
痛み・不安をやわらげる |
ほかの不調サインを伴うことがある |
うずくまる・食欲が落ちる |
受診の目安(後述)を確認 |
それでは、ご相談の多い場面をいくつか掘り下げます。
寝るとき・寝ながらゴロゴロするのはなぜ?
寝床でくつろいでいるときや、うとうとしながらのゴロゴロは、安心や浅い眠りのあらわれであることが多いと考えられます。猫が安心できる場所で力を抜いているサインですので、そっと見守ってあげてください。
撫でるとゴロゴロするのはなぜ?
撫でられている最中のゴロゴロは、触れ合いの心地よさによることが多いとされています。ただし、撫で続けると気分が変わる猫もいます。耳を伏せる・しっぽを激しく振る・体をこわばらせるなどのサインが出たら、いったん手を止めて、猫のペースを尊重してあげましょう。
ゴロゴロが大きい・うるさいと感じるのはなぜ?
ゴロゴロの音量は、体格や個体差、そのときの気持ちの強さなどによって変わります。音が大きいこと自体は問題ではなく、その子の個性であることがほとんどです。大きさそのものよりも、「どんな場面で・どんな様子で鳴らしているか」を見るほうが、気持ちを正しく読み取れます。
ふみふみ・すりすりを一緒にするのはなぜ?
ゴロゴロは、ふみふみ(前足で交互に押す動作)やすりすりと一緒にあらわれやすい行動です。これらは多くの場合、子猫のころの安心感とつながった、リラックスや甘えのしぐさだと考えられています。ゴロゴロと一緒に始まる“ふみふみ”の意味も、あわせて読んでみてください。
「ねだりゴロゴロ」の科学——要求・甘えのゴロゴロ
ごはんをねだるときなどのゴロゴロには、人の赤ちゃんの泣き声に似た高い音(平均およそ380Hz)が混じり、人が思わず世話をしたくなるように働きかけていることが研究で示されています。
ゴロゴロは、満足しているときばかりに出るわけではありません。「かまってほしい」「ごはんがほしい」と要求する場面でも鳴らします。そして、この“おねだりのゴロゴロ”には、リラックス時のゴロゴロとは違う音の特徴があることが分かっています【確立】。
これを明らかにしたのが、McComb et al.(2009, Current Biology)の研究です。研究チームは、餌をねだる文脈で出るゴロゴロ(solicitation purr=要求ゴロゴロ)を分析し、通常の低いゴロゴロのなかに、高い周波数の成分(おおむね220〜520Hz、平均およそ380Hz)が埋め込まれていることを突き止めました。この高い成分は、人の赤ちゃんの泣き声に近い帯域です。
さらに研究では、猫を飼っていない人を含む被験者にこの音を聞いてもらったところ、要求ゴロゴロを「より切迫している」「やや不快」と評価しました。そして音から高い成分だけを取り除くと、その切迫感が下がったのです。これは、私たち哺乳類がもともと持っている「赤ちゃんの泣き声に反応しやすい感受性」に、猫の要求ゴロゴロが働きかけている可能性を示しています。
ここで誤解しないでいただきたいのは、これは猫が人を「操っている」という話ではない、ということです。言葉を持たない猫が、一緒に暮らす相手に「いま世話をしてほしい」という気持ちを的確に伝える、巧みなコミュニケーションのかたちと考えるのが自然です。私たちが赤ちゃんの泣き声を放っておけないのと同じように、猫もまた、人に届きやすい声で語りかけているのです。
ゴロゴロは自己治癒になる?25〜50Hzをめぐる仮説
ゴロゴロの25〜50Hzは骨や組織の修復を促す振動の帯域と重なるため「自己治癒に関わるのでは」という仮説がありますが、猫のゴロゴロが実際に体を治すと証明した研究はなく、あくまで研究段階です。
ゴロゴロには「体を癒す効果があるのでは」という説が、しばしば語られます。結論から申し上げると、これは現時点では【仮説・研究段階】であり、証明された事実ではありません。
この仮説の出発点になったのが、von Muggenthaler(2001, Journal of the Acoustical Society of America)の報告です。ゴロゴロの強い帯域である25Hz・50Hzが、骨の成長や骨折の治癒を促すとされる低周波振動療法の有効な帯域と重なること、さらに痛み・むくみ・創傷などの治療で用いられる帯域(おおむね25〜150Hz)とも重なることから、「ゴロゴロは自分の体を整える自己治癒メカニズムなのではないか」と提起しました。
魅力的な仮説ですが、受け取り方には注意が必要です。理由は次の3点です。
- この報告は学会抄録(要旨)であり、エビデンスとしては比較的弱い段階のものです。前述のHerbst et al.(2023)やMcComb et al.(2009)のような査読を経た本論文と、同じ強さで扱うことはできません。
- 「特定の振動が骨密度に寄与しうる」という別の研究は存在しますが、それは振動療法の装置などを使った研究であって、「猫のゴロゴロそのものが自分や人の体を治す」ことを直接確かめた対照実験ではありません。
- あくまで「周波数帯が重なる」という相関と仮説の提案にとどまり、因果関係(ゴロゴロするから治る)は確かめられていません。
したがって、「ゴロゴロで骨折が治る」「ゴロゴロには確かな治療効果がある」といった断定は、現在の科学では支持されていません。インターネット上では「1950年代に猫の骨は他の動物の3倍速く治った」といった逸話も見かけますが、出典のはっきりしない情報であり、本記事では扱いません。
一方で、ゴロゴロには「自分(そしてそばにいる相手)を落ち着かせる」自己鎮静(セルフサウージング)のはたらきがあるのでは、という見方もあります。猫が不安な場面や体調が優れないときにもゴロゴロすることの説明として提案されている考え方ですが、これも仮説の段階です。
まとめると、ゴロゴロの25〜50Hzと修復・鎮静の関連は「興味深い仮説」ではありますが、「効果がある」と言い切れる根拠はまだありません。過度な期待をせず、研究の進展を見守る姿勢が大切です。
注意すべきゴロゴロ|受診を考える目安
ゴロゴロは元気な証拠とはかぎりません。「いつもなら喜ばない場面でのゴロゴロ」や「食欲の低下・呼吸が速い・隠れる・うずくまる」などが重なるときは、様子を見すぎず、動物病院に相談しましょう。
ゴロゴロは、猫が自分を落ち着かせるための行動でもあります。そのため、痛みや不調をかかえているときにも鳴ることがあり、ゴロゴロがつらさを見えにくくしてしまう場合があると、獣医学の資料でも整理されています(Merck獣医マニュアルほか)。
猫は、もともと不調を表に出しにくい動物です。これは猫の落ち度ではなく、身を守るために身につけた自然な性質です。だからこそ、私たち人間が、ふだんとの「ちがい」にそっと気づいてあげたいところです。
次のようなサインがゴロゴロと重なるときは、注意してあげてください。
- いつもなら喜ばない場面(通院中・じっと動かないときなど)でのゴロゴロ
- ごはんを食べない/食欲が落ちている
- 呼吸が速い・荒い
- 隠れて出てこない
- うずくまったまま動かない
- 耳が伏せている/体がこわばっている
これらが重なって見られるときは、様子を見すぎず、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
※ この記事は病気を特定するものではありません。気になるサインがあるときは、自己判断せず、かかりつけの動物病院にご相談ください。
ゴロゴロを「鳴らさない・言わない猫」は異常ではありません
ゴロゴロを鳴らさない猫もいます。その多くは性格・個体差・声の小ささによるもので、異常ではありません。
「うちの子はあまりゴロゴロしないけれど、大丈夫かな?」というご相談をいただくことがあります。まず安心してください。ゴロゴロを鳴らさない・あまり聞かせない猫がいるのは、ごく自然なことです。
理由はさまざまです。
- もともとゴロゴロが控えめな性格・個体差
- 声(音量)が小さく、人の耳には聞こえにくいだけ
- そのときの気分やリラックス度合いによるもの
声が小さいだけのこともあるので、確かめたいときは、猫がくつろいでいるときに喉や胸のあたりにそっと手を当てて、小さな振動が伝わってこないかを感じてみてください。手のひらにかすかな震えを感じられれば、その子なりにちゃんとゴロゴロしています。
ゴロゴロのしかたにも、爪とぎの好みや遊び方と同じように、その子ならではの個性があります。一方で、「これまではよく鳴らしていたのに、急にしなくなった」など、ふだんとの変化が気になる場合や、食欲・元気の低下をともなう場合は、受診の目安(前章)もあわせて確認してあげてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 子猫はいつからゴロゴロするの?
生後数日ごろから始めるとされています。授乳期に、母猫とのやり取り(母子コミュニケーション)の手段として使うと考えられています。猫にとって、ゴロゴロは生まれてすぐの大切な「会話」のひとつです。
Q2. 寝ているのにゴロゴロするのはなぜ?
安心していたり、浅い眠りのなかでくつろいでいたりするときのサインであることが多いです。安心できる場所で力を抜いているあらわれと考えられます。ただし、ゴロゴロ=かならず健康とは言い切れないため、ほかの様子もあわせて見守ってあげてください。
Q3. ゴロゴロが急にしなくなったのは病気?
気分や個体差によることも多く、それだけで病気とは決めつけられません。ただし、食欲の低下や元気のなさをともなう場合は、受診の目安にあたります。気になる変化が続くときは、動物病院に相談すると安心です。
Q4. ゴロゴロが大きい/小さいで気持ちは違う?
音量は体格や個体差にもよるため、大きさだけで気持ちを判断するのは難しいです。音の大きさより、「どんな場面で・何をしながら鳴らしているか」を手がかりにすると読み解きやすくなります。
Q5. リラックスのゴロゴロと要求のゴロゴロの見分け方は?
要求のときのゴロゴロには、人の赤ちゃんの泣き声に似た高い成分が混じり、切迫して聞こえやすいことが研究で示されています(McComb 2009)。あわせて、ごはんの前なのか、休んでいる最中なのかという「場面」も大きな手がかりになります。
Q6. ゴロゴロは人間の健康にも効果がある?
ゴロゴロの25〜50Hzが、骨や組織の修復に関わるとされる振動の周波数帯と重なることから、「体によいのでは」という仮説があります。人がリラックスを感じるという声もありますが、科学的な効果は研究段階で、現時点では断定できません。
まとめ
最後に、要点を振り返ります。
- 猫がゴロゴロ鳴らす理由は大きく3つ——①リラックス・満足、②要求・甘え、③不安・痛みのときの自己鎮静です。
- ゴロゴロは「幸せ度メーター」ではなく、音量・場面・同時のしぐさをあわせて読むサインです。
- 喉を鳴らす仕組みは、最新の研究で見直されている部分があり、完全には解明されていません。「わからないことが残っている」ことも、猫の奥深さです。
- 「ゴロゴロが体を治す」といった効果は、現時点では仮説・研究段階です。期待しすぎず、落ち着いて受けとめましょう。
- いつもと違う場面でのゴロゴロや、不調のサインが重なるときは、様子を見すぎず動物病院へ。鳴らさない子も、その多くは個性であって異常ではありません。
ゴロゴロは、猫が私たちに向けてくれる小さな信号です。音量や場面、しぐさをあわせて見れば、その気持ちにもっと寄り添えます。今日もとなりで響く小さなゴロゴロが、猫の安心のあらわれでありますように。
猫が毎日を安心して過ごせる環境づくりの一つとして、よろしければnyansの爪とぎもご覧ください。
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※本記事の情報は2026年6月時点の学術研究・専門家見解に基づいています。猫の健康に関する判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
参考文献
1. Herbst, C.T., Prigge, T., Garcia, M., Hampala, V., Hofer, R., Weissengruber, G.E., Švec, J.G., & Fitch, W.T. (2023). "Domestic cat larynges can produce purring frequencies without neural input." Current Biology, 33(21), 4727-4732.
2. McComb, K., Taylor, A.M., Wilson, C., & Charlton, B.D. (2009). "The cry embedded within the purr." Current Biology, 19(13), R507-R508.
3. Remmers, J.E., & Gautier, H. (1972). "Neural and mechanical mechanisms of feline purring." Respiration Physiology, 16(3), 351-361.
4. Frazer Sissom, D.E., Rice, D.A., & Peters, G. (1991). "How cats purr." Journal of Zoology, 223(1), 67-78.
5. von Muggenthaler, E. (2001). "The felid purr: A healing mechanism?" Journal of the Acoustical Society of America, 110(5_Suppl), 2666.(学会抄録)
6. (補助)Merck Veterinary Manual ほか(受診の目安の整理に参照)。
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